満を持して2024年5月5日放送「有吉ぃぃeeeee!」に登場した、2023年M-1グランプリ チャンピオンの漫才コンビ令和ロマンさん。
そんな彼らへの評価が一部で割れています。評価をしない側の意見を要約すると2点。
・ネタが面白くない
・ネタの面白さ < 人間性が気に入らない
ネタがそこまで響かないから人間性うんぬんという展開は、極端な例外を除けばよくある話ですが、それも含めてTVを通して令和ロマンに出会った人の一定数が「つまらない」と感じる、そんな漫才コンビがM-1の19代目チャンピオン。これってどういうことでしょう? 単に好みの問題?
そこで、本記事では「面白くない」と感じる理由を「好き」「嫌い」という感情(主観的評価)からではなく、人が面白いと感じることに世代間ギャップはあるのかという視点から、真面目に考察してみました(笑)
年々「お笑い」が面白くなくなってる~、だとか松ちゃんロスを感じていらっしゃる皆さんは、是非ご覧ください。
令和ロマンの実績
先ずはベテランとの比較、ではなく今のM-1グランプリ出場資格のある芸人さんとの実績差を確認してみます。
M-1の出場資格は
★結成15年以内(2008年1月1日以降の結成)となります。
コンビ結成:2018年4月1日
M-1成績:2018年 準決勝進出
2019年 準々決勝進出
2020年 準々決勝進出
2021年 準々決勝進出
2022年 準決勝進出
2023年 優勝
コンビ結成年から6年連続でM-1準々決勝以上に勝ち残り、内2回は準優勝、そして6度目の挑戦で2023年、念願のグランプリ獲得、8540組の頂点に立ちました。
過去のチャンピオンと比較しても、近年における同世代間での安定的強さは圧倒的で、その実力に疑いなし!
ということは、「全員」ではないものの、多くの劇場に足を運ぶような積極的ファンからの評価(令和ロマンって面白いじゃん!)は高いはずですよね。
ところが、M-1を見た視聴者さんからは令和ロマンさんに対し、「面白くない」、あるいはそこから派生した「苦手」、更に「嫌い」といった感想が寄せられているようです。
ここで興味深いのは、令和ロマンさんに対する否定的感想だけでなく、そもそも「M-1自体が面白くなくなった」との声を同時に耳にするようになったことです。
果たしてそれは何故か? 漫才が面白くなくなったのか?
謎は深まります!
「面白くない」と言われてる世代って?
そもそも、誰が「面白くない」とコメントしているかについては、統計的データがないため残念ながら「わかりません」。
そこで、ここからは「面白くない」理由について、世代認識に関する一般社会との共通点から迫っていきたいと思います。
Z世代
ここ数年、社会を騒がせているキーワードに「Z世代」という言葉があります。
「Z世代」とは1996年以降に生まれた世代を指し、2023年末時点で12歳から29歳くらいまでの人たちになります。
この「Z世代」が話題となったのは、新卒社員との意思伝達に苦しむ職場が近年、急激に増えたことによります。Z世代を解説した取説本が何冊も出版されるくらい、現場を任される中間管理職、採用を担当する採用担当職には頭痛のタネになっています。
ざっくりとZ世代の世代的傾向を挙げれば(全員に当てはまるわけではありませんが)
- 多様性を尊重(共感性大切)
- 正解志向(失敗はマジ嫌)
- 選択権重視(選択出来ることが当たり前)
そして「Z世代」というワードで思い浮かぶのは、近年の「お笑い第七世代」ブームです。
お笑い第七世代
一般的には2010年以降結成、活躍した芸人の総称で、代表は2018年M-1チャンピオンの霜降り明星さん。実際に霜降り明星のせいやさんが、「第七世代」の名付け親です。
「第七世代」芸人は、テレビ局が求めていた視聴者の年代層と重なることも追い風となり、2020年にもっともスポットを浴びました。
しかし、2024年現在では淘汰が進んでいます。その理由として挙げられるのは、「第七世代」に最も期待された同年代層の視聴者獲得効果が今一つだったから。これは彼らの経験不足からくる実力不足もあると言われがちですが、それよりも同世代の急速なテレビ離れが原因かと思われます。
上記世代背景を踏まえ、いよいよ「令和ロマン」、及び「最近のM-1面白くないよね」に対し、世代間ギャップを視点に置き、回答を考えてみます。
結論(面白くないが起こる原因)
現在一部で起きている令和ロマンさん、M-1への失望感を視聴者と演者の年齢を軸に単純整理すると・・・
テレビ視聴者年齢層(M-1のテレビ視聴者)は
→Z世代より上の世代が中心
→安心できるのは第六世代以前の芸人さん
→第七世代中心のM-1は理解できない
第七世代芸人(演者)の最終系は
→令和ロマン
→Z世代からの支持が高い
→Z世代より上の世代からは理解されない
この視点を更にこじつけると、
大御所のポジションに変更がないのは、その既得権益が理由ではなくテレビ視聴者のニーズであり、第七世代芸人がテレビに大きく進出できないのは、テレビ視聴者のニーズが大きくないだけでなく彼らのテレビ愛が旧世代と比べて弱い(テレビだけで育っていない)、からだとも見えます。
そして実社会同様で多少安心するのが
・令和ロマンの審査員(大御所)の評価は高い
・今の管理職はZ世代と向き合おうとしている
という同じ船に乗ってる先輩からの歩み寄りが共通点として見られることです。
もちろん視聴者は見る側ですから、自分の主観で評価して全然OKですし、それと同様、同じ船に乗っている先輩は自分たちの評価軸を変えていくことで生き残りをはかっていく。
M-1で起こっていることも実社会で起こっていることも、見方によっては同じであるという結論で本記事を締め括りたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。