2024年7月26日に開幕する「パリオリンピック」。その中で今回から正式競技種目として採用された「ブレイキン」。*ブレイキン競技は8月9日・10日開催*
一般的には「ブレイキングダンス」という呼ばれ方で知られる「ブレイキン」の魅力について、その歴史から振り返り、オリンピック種目として採用された理由、競技の魅力について解説をします。
「ブレイキングダンス」、「ブレイキン」に興味のある方は、是非ご覧ください。
ブレイキンの歴史
- 発祥は、1970年代、ニューヨークのサウスブロンクス地区
- そこに住むアフリカ系・ヒスパニック系の文化であるヒップホップダンスが源流
- 1983年映画「Flashdance」のなかで披露されたブレイキングダンスは日本を含め、世界中で社会現象を巻き起こし、「ブレイキン」人口が飛躍的に増えた
- 2018年のブエノスアイレスユースオリンピックで初めて、「ブレイキン」が競技種目として採用
- 2024年パリオリンピックで、「ブレイキン」が新競技として採用
暴力やドラッグが蔓延する治安の悪いニューヨーク。「暴力やドラッグでは何も解決しない、ダンスと音楽で白黒つけよう」という大きな民衆の流れが、HipHop文化の一部としての「ブレイキン」隆興につながりました。
ブレイキン 名前の由来
「ブレイキン」は「Break」=「壊す」=「型を破るダンス」とイメージされがちですが、本当の意味は「休憩」や「間奏」の意味で使われる「Break」が由来となっています。
ちなみに「ブレイキン」ではダンサーを
- Bボーイ(ブレイキンを踊る男性)
- Bガール(ブレイキンを踊る女性)
- ブレイカー(性別を問わずにブレイキンを踊る人)
と表現します。
つまり
- 歌の間奏でのダンスパフォーマンス
がそもそもの由来となり、DJが誕生し曲のビートをミックスする手法が誕生する以前は、曲の間奏でダンスを競い合っていたのが出発点です。
ブレイキンの特徴
- 1対1から2対2、もしくは大人数のチーム同士が向き合いながらダンスバトルを行う
- 難易度の高いパフォーマンスやアクロバティックな動きで、オリジナリティを競い合う
構成する4つの動き
- Toprock(トップロック)
足のステップと上半身を使う導入ダンス - Footwork(フットワーク)
床に手をつき足を高速で捌く挑発ダンス - Power Move(パワームーブ)
頭や背中で回るアクロバティックな見せ場ダンス - Freeze(フリーズ)
逆立ちの状態や片手で動きを止め終止感を作るキメダンス
「ブレイキン」はトップロック→フットワーク→パワームーブ→フリーズの流れを基本に構成されます。
そしてここからどのようにオリジナリティを出していくかが、見どころでもあり、バトルの勝敗にも直結します。
ブレイキン オリンピック採用理由?
- 競技人口の多さ(全世界で1億人以上)
- フェアな競技環境(資金に関係なくカラダひとつで練習可能)
- これからの世代獲得(若者のオリンピックへの興味喚起)
これら囁かれる採用理由の多くは納得できるもので、現代社会におけるスポーツとはそもそも娯楽である以上、その範囲が変わっていくのも当然に思えます。
ブレイキン 魅力
「ブレイキン」の魅力はそのバトルスタイルにあります。
- 1対1の対決(基本)
- DJが即興でかける音楽で踊る
- 同じ曲で交互に1ターン(ムーブ)踊りを披露
- ターン終了後は次の曲に移る
中でもDJの存在。
- DJは会場の雰囲気にあわせ音楽を選び即興でプレイ
- ダンサーはどんな音楽が流れるか知らされておらず、音楽に合わせて即興でダンス
この即興性が、「ブレイキン」を単なるダンス技術自慢でない、ライブで芸術性の高い競技としています。
音楽とダンスが一体となった即興芸術、しかもバトル形式で興奮もかきたてられる。
一般的に認知が高まれば、競技者人口はもちろん観客人口も増え、プロのダンサーを目指す人も他のメジャースポーツ並みに増える可能性は十分あります。
まとめ
・ブレイキンの歴史
治安の悪い1970年代ニューヨーク発祥のHipHop文化「暴力やドラッグでは何も解決しない、ダンスと音楽で白黒つけよう」の一つで、歌の間奏(Break)でのダンスパフォーマンスが名前の由来
・ブレイキンの特徴
4つの動きで構成され、難易度の高いパフォーマンスやアクロバティックな動きでオリジナリティを競い合うダンスバトル
・ブレイキン オリンピック採用理由?
「娯楽である」現代スポーツの「娯楽の範囲」が変わっていった自然な結果
・ブレイキン 魅力
DJとダンサーが生み出す即興芸術を競い合うバトル
「ブレイキン」のオリンピック後の爆発、大いに期待したいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。