第171回芥川龍之介賞をデビュー2作目にして勝ち取った松永K三蔵さん。
デビューして間もないこともあり、これまであまり報じられることのなかった松永K三蔵さんの経歴を可能な範囲で調査、また受賞作「バリ山行」の解説文をまとめました。
- 松永K三蔵さんの経歴
- 松永K三蔵さん「バリ山行」の解説(おおまかな内容)
松永K三蔵さん、「バリ山行」について興味のある方は、是非ご覧ください。
松永K三蔵さんの経歴
- 兵庫県西宮市在住の44歳
- 茨城県水戸市で生まれ、幼いころに西宮市に移り住む
- 小説を書き始めたのは中学生のとき
- 関西学院大学文学部卒業で恩師は同大学名誉教授の細川正義さん
- 大学卒業後、建築関係の会社に勤務するかたわらで作家修行
- 2021年「カメオ」で文芸誌の新人賞を受賞し、作家デビュー
- 2作目の「バリ山行」で芥川賞を初めての候補での受賞
松永K三蔵さんはnoteへの投稿をされており、紙として出版されたエッセイ以外でも、なんとなく人となりを窺うことが出来ます。
気になったのは、ある月のスケジュール帳からの転記。「子供に話す」という表現がたびたび登場するのですが、何を話してるんだろう?
おそらくまだ小さいお子さんがいらっしゃるのだと思いますが、サラリーマンで小説家であるお父さん、松永K三蔵さんはどんな話をしてるのか気になります。
管理人にも小さな子供がいるのですが、自分の場合は聞くいっぽう。どんな話をすれば子供は聞いてくれるのか? その前に、自分はどんな話をしたいのか?考えてしまいました。
Noteでも純文学への思いが綴られるのですが、
社会、或いは国家、時代の枠組み(社会的、文化的、時代的構造)に無理やり押し付けられた「醜い」者の哀しみを小説こそが描かなければ、小説(純文学)はなんであろう
という表現はステレオタイプではありながらも、「そうだよな~」と思わせてくれる、松永K三蔵さんの小説(純文学)感だと思いました。
さて、今後の作品にも期待なのですが、先ずは勝手ながらネタバレはほどほどに、芥川賞受賞作「バリ山行」の解説をしたいと思います。
松永K三蔵さん「バリ山行」の解説(おおまかな内容)
- 「バリ」とはバリエーション
- 「山行」とは(平たく言えば)山を登ること
- 「バリ山行」とは道ない道を分け入る山登りで、一歩間違えれば危険なだけでなく、周囲に迷惑をかけるおそれがある趣味的登山
主な登場人物
主人公:経営難に陥り人員整理への不安を募らせる会社員
先輩 :リストラ候補とささやかれる職場の先輩
バリ山行との距離間
主人公:先輩にまきこまれバリ山行の世界へ
先輩 :熟練のバリ山行者
小説は、人生のままならなさを「会社生活」と「バリ山行」を軸に対比させつつ、読み手に自分は社会をどのように捉えて、どのように生きる、生きたいのか?を考えさえる内容になっています。
終わり方がいいのも、好印象!
文章もわかりやすく、国語の教科書に採用されてもおかしくないくらいに整理された語り口は、誰にでもおススメです。
まとめ
- 松永K三蔵さんの経歴
- 松永K三蔵さん「バリ山行」の解説(おおまかな内容)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。