縁もゆかりもない土地への移住。しかも西アフリカから日本へ。2024年11月27日放送の「ナゼそこ?」では、そんな珍しい国際カップルを紹介。
本記事では、モーリス・自由理(しゅり)夫婦の出会いから経歴、そして移住先として長野県伊那市を選んだ理由、そこでの暮らしぶりについて紹介していきます。
- モーリス・自由理(しゅり)夫婦のプロフィール
- 2人の出会いから結婚まで
- 伊那市での新生活
- 地域との関わり
- 移住に伊那市が選ばれる背景
- 伊那市の暮らしやすさ
モーリス・自由理(しゅり)夫婦、彼らの伊那市での生活について興味のある方は、是非ご覧ください。
モーリス・自由理(しゅり)夫婦のプロフィール
- イェリマ・ヤンタレ・モーリスさん(西アフリカ・ベナン共和国出身)
- 自由理(しゅり)さん(7歳年上の日本人女性)
- 2016年4月から伊那市高遠町藤澤に在住
- 今では3人の子供の父母
この夫婦の特徴は、年の差と文化の違いを超えた結びつき。
ベナンと日本、そして7歳という年齢差。一見するとミスマッチに思えるかもしれないこの組み合わせが、伊那市という新天地で調和する姿はなんとも幸せを感じます。
地域の人々も、モーリスさんの明るい人柄と自由理(しゅり)さんの温かな雰囲気に好感を持っているそうです。
2人の出会いから結婚まで
- 2013年:青年海外協力隊員として自由理(しゅり)さんがベナンへ
- ベナンで農業を営んでいたモーリスさんと出会う
- 2015年:自由理さんの日本帰国
- 2016年4月:日本での結婚式
国際協力という高い志で始まった自由理(しゅり)さんのベナン赴任。しかし、人生は時として予想外の展開を見せるものです。
現地で農業を営んでいたモーリスさんとの出会いは、まさに運命的? 自由理さんの帰国後も2人の絆は深まり続け、やがて結婚という形で実を結びます。
青年海外協力隊員が、現地の方と結婚されるというのはよく聞く話ではありますが、相手、しかも旦那さんが日本に移住というケースはとても珍しいのでは?
まさに、この2人の出会いから国際結婚という流れは、単なる偶然ではない奇跡を感じます。
伊那市での新生活
- 御堂垣外で自家用農作物の栽培
- 近隣の農業法人での勤務
- トウモロコシ栽培への挑戦
- 日本の気候との格闘
モーリスさんにとって、伊那市での農業は挑戦の連続。母国ベナンでは当たり前だった農法が通用しなかったり、気候の違いに戸惑ったり。特に冬の寒さは大きな試練でした。
それでも、彼は持ち前の適応力で少しずつ日本の農業を学んでいます。
現在挑戦中なのは、ベナンの主食であるトウモロコシの栽培です。単なる作物栽培ではなく、母国の食文化を新天地に根付かせようとする、文化の架け橋としての挑戦はうまくいくのでしょうか?
自家用の畑に植えられたトウモロコシが、新しい土地での暮らしに馴染もうとする夫婦を応援しています。
地域との関わり
- 地元消防団への加入
- 隣組3軒中2軒が高齢女性世帯
- 2023年9月の台風16号での経験
- 積極的な地域コミュニケーション
御堂垣外での暮らしは、モーリスさんに新たな使命感を与えました。きっかけは2023年の台風16号です。
隣組の高齢女性世帯を見て、「もし避難が必要になったら、この方たちを守れるのは自分しかいない」。その思いが、消防団への加入を決意させました。
ベナンと日本では、近所付き合いの形も大きく異なります。ベナンでは道路が社交場となり、自然と会話が生まれる文化。一方、日本では各家庭でプライベートな時間を過ごすことが一般的。
この違いに戸惑いながらも、モーリスさんは「人と会ったら必ずコミュニケーションをとる」「家の周りを美しく保つ」という、ベナンで学んだ基本を大切にしています。
移住に伊那市が選ばれる背景
- 移住アワード3年連続1位(2024年上半期:2137ポイント)
- 体験重視の移住支援制度
- 農業新規参入への支援体制
- 地域創造課の手厚いサポート
- 伝統と新しさが共存する街の雰囲気
- 立地条件の良さ(東京・名古屋の中間点)
移住先としての伊那市の強みは、数字だけでなく実践的な支援の質にあります。SMOUTが発表した2024年上半期の移住アワードでは2137ポイントを獲得し、2位の山口県萩市(760ポイント)を大きく引き離しました。
この差は、単なる人気の差ではなく、地域の受け入れ体制の充実度を反映しています。
特に伊那市の移住支援で注目すべきは「体験」を重視した支援策。ワーキングホリデーなどの体験企画で、移住検討者にとって、実際の暮らしを体感できる貴重な機会が提供されています。
更に、農業従事者であるモーリスさんにとって特に魅力的だったであろうと思われるのは、農業支援の体制。伊那市では新規就農者向けの研修制度や農地取得のサポート、さらには地域の農業者とのマッチング支援まで、包括的な支援を提供しています。
また「田舎暮らしモデル地域」や「過疎地域」に指定された地域では、住宅補助金(最大150万円)や空き家取得補助金(最大150万円)といった具体的な経済支援も充実。
もちろん、伝統的な地域コミュニティと移住者の調和にも配慮。
既存の農業法人や消防団といった伝統的な組織が、新規移住者を温かく受け入れる土壌があります。同時に、移住者が経営する新しいスタイルのカフェや雑貨店なども増加しており、古い文化と新しい感性が自然に混ざり合う環境が整っているのです。
若い世代の移住者が多いという特徴も、モーリスさん夫妻のような新天地での挑戦を考えるカップルには心強い環境だったはず。実際に伊那市の移住相談窓口では、移住経験者からの生の声を聞ける機会も設けられており、より現実的な移住計画を立てやすい体制が整っています。
このように、データだけでなく、実践的な支援制度、立地条件、地域性など、複合的な要素が重なり合って、モーリスさん夫婦の決断を後押ししたものと考えられます。
自分の挑戦は止まらないことを今自覚した。笑🔥
— つっぴー/世界を旅する教育大生 (@Kazuki_edubsk) November 22, 2024
教育の街、長野県伊那市で世界一周帰国後のイベントやります‼️✨
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旅人も、教育の人も、みんな混ざってみて欲しい!!!
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伊那市の暮らしやすさ
- 医療環境:市内約50軒の医療機関(小児科19軒)
- 教育環境:信州やまほいく、伊那小学校の特色ある教育
- 生活環境:必要な店舗が揃う街並み
- 気候:積雪が少なく、晴天率が高い
- 移住支援:お試し住宅やワーキングホリデー制度
伊那市の魅力は、都会過ぎず田舎過ぎないバランスにあります。
南アルプスと中央アルプスに囲まれた自然豊かな環境でありながら、日常生活に必要な施設は十分に整っています。
気候面では、長野県というと寒冷地のイメージがありますが、伊那市の積雪は多くても10cm程度。ベナンから来たモーリスさんにとっても、適応しやすい環境だったことでしょう。
長野県伊那市 17:00「伊那市の歌」
— わかけん△ゲンキスト (@kwaka16) November 23, 2024
サビで大音量になります。オーケストラバージョンもかなり好きですが、以前の新音源も一度聞いてみたかったです… pic.twitter.com/JbZSJDiGqx
まとめ
モーリスさん・自由理さん夫妻の暮らしからは、伊那市の魅力が十分伝わってきます。
異なる文化を持つ者同士が出会い、理解し合い、新しい生活を築いていく。その過程で、地域社会もまた、新しい価値観を受け入れながら変化していく。
そんな共生の物語が、この夫婦と伊那市の中で静かに進行。とても素敵な物語ですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。